世界のサメ襲撃件数、15年は過去最高を記録
(CNN) 米フロリダ自然史博物館がこのほど発表した「国際サメ襲撃ファイル(ISAF)」によると、世界各地で昨年1年間に報告されたサメによる襲撃は98件と、過去最高を記録したことが分かった。
これは前年より26件、10年前と比べて40件も多い数字だった。
人間がサメに飛びかかったりつかんだりして襲撃を誘発したケースは含まれていない。ISAFによると、件数が増えたのはサメの数が増えたり、攻撃的になったりしたというより、人口が増加したためとみられる。
同博物館のキュレーター、ジョージ・バージェス氏によると、襲撃件数は年々一定のペースで増えているわけではない。しかし過去数十年の流れとしては増加傾向にあること、昨年の件数が特に多かったことは確かだという。昨年はエルニーニョ現象で海水温度が上昇し、サメの活動範囲が広がる一方で海水浴のレジャーが長期化、広域化したという要因も重なった。
米国内での襲撃は59件で、このうち30件はフロリダ州で発生した。
サメ襲撃による死者は世界で6人とほぼ平年並み、米国内では1人にとどまった。バージェス氏は、近年の医療の進歩で重傷者の命も救えるようになったと指摘する。
サメの生息数は世界的にみると減少傾向にあるものの、米国では保全対策が功を奏し、一部増加に転じている。今後世界の人口がさらに増え、サメの数も増えれば、襲撃件数も増加することになるだろうと、バージェス氏は話している。