銀河系地図が完成、星が生まれる領域描く
(CNN) 欧州南天天文台(ESO)が南米チリにあるAPEX望遠鏡で観測したデータをもとに、銀河系の星が生まれる領域を描き出した地図「ATLASGAL」を完成させた。
APEX望遠鏡では、銀河の質量の大部分が存在する「銀河面」と呼ばれる部分を南半球から観測。ESOの専門家は、「私たちの銀河の中の星が形成される領域について、初めて完全に調査できた」「これで星が形成されるガスの塊の大きさなど、この領域の特徴について研究できるようになる」と解説する。
ATLASGALの画像では赤外線と電波との間のミリメートル以下の波長をとらえ、銀河に浮かぶちりやガスの分布図を描き出している。APEXでは2007年7月~2010年11月まで数年をかけ解析が行われ、他の機関の観測データとも組み合わせて完成させて、天文学会誌の1月号に発表された。
地図上ではAPEXで観測したデータを赤、米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「スピッツァー」がとらえたデータを青、欧州宇宙機関(ESA)の人工衛星「プランク」の観測データを淡い赤色で表している。