野生のヤギ、写真撮影の集団に追われて溺死 アラスカ
(CNN) 米アラスカ州スワードで、野生のシロイワヤギが写真を撮ろうとする見物人の集団に追い詰められ、海に飛び込んで溺死(できし)した。州警察は観光客などに対し、「自分の身を守るため、そして動物を保護するために、距離を置いてほしい」と呼びかけている。
警察によると、ヤギは16日、スワード港の南端にある防波堤に姿を現した。見物人がヤギを追い回しているという通報を受けて警察が駆けつけた時には、ヤギはいなくなっていたという。
しかし30分後に再び、海洋生物センター前の海でヤギが泳いでいるとの通報があった。警察の調べで、ヤギは大勢の見物人に追いかけられ、同施設前で追い詰められて海に飛び込んだことが分かった。
集まった人たちは写真を撮ろうとしたり、ただ眺めているだけだったという。
海岸に大勢の見物人がいたためヤギは岩場を伝って岸に戻ることができず、溺死した。
同地はクマやヘラジカやヤギなどの野生生物を目当てに訪れる観光客が多く、人が動物に襲われる騒ぎも頻発する。一方で、動物が泳いで逃げようとして溺れることも珍しくないという。
州警察は、「野生生物はスワードの市街のように人通りの多い地域から離れられるよう、十分なスペースを与えなければならない」と勧告した。
米国ではイエローストーン国立公園で今年5月、バイソンの赤ちゃんを見付けた親子が助けるつもりで車に乗せ、群れから引き離してしまう出来事があった。バイソンはいったん群れを離れた赤ちゃんを拒絶することも多い。この赤ちゃんもレンジャーが何度も群れに戻そうと試みたがうまくいかず、人や車を追いかけるトラブルが頻発したことから、安楽死させられた。