火星に人類移住へ、自給自足のコロニー建設 マスク氏が構想
ニューヨーク(CNNMoney) 米宇宙開発企業スペースXの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は27日、火星に人類を送り込んで自給自足コロニーを建設し、50~150年以内に定住を目指す構想を披露した。
マスク氏は以前から、人類を「惑星間種族」に転換させる構想を描いており、メキシコのグアダラハラで開かれた国際宇宙会議で27日に行った講演では、この構想の技術面や安全性、コストなどについて説明した。
マスク氏によると、現在の技術を使った場合、火星への有人飛行には1人当たり100億ドル(約1兆円)のコストがかかる。同氏はこれを20万ドル(約2000万円)程度に引き下げたい考え。そのためには再利用可能ロケットの開発を含めた技術の進展が不可欠だとした。
スペースXは既に再利用可能ロケットの開発に力を入れ、軌道に到達したロケット6基を着陸させることに成功している。年内にはそのうちの1基を再利用して軌道に送り込む計画。
同社は26日、火星への有人飛行に利用するロケットエンジン「ラプター」の燃焼試験も成功させた。マスク氏によれば、火星に到達するためには1度に42基のラプターエンジンが必要になる。
計画ではまず、巨大ロケットに約100人乗りの宇宙船を搭載して打ち上げることを目指す。最初に火星へ行きたがる人はあまり多くないかもしれないが、火星でやるべき仕事はたくさんあるとマスク氏は語り、「火星では長期的に人手が不足する」と予想する。