霊長類の6割、絶滅の危機 生息地減少など予想以上に深刻
霊長類の生存を脅かす生息地の減少や乱獲、ペットの違法取引などは全て人間の活動によるものだと研究チームは指摘。生息地が破壊されれば隠れ場所や餌や水が失われて社会集団は分断され、捕捉されたり病原菌に感染したりするリスクも高まる。
熱帯雨林は国際企業の資源開発などによって急激に伐採が進む。だが「どの業界も持続可能なやり方を試みる動きはほとんどない」とガーバー氏は嘆く。
エストラーダ氏は今回の調査について「手遅れになる前にこの事態を食い止めるため、科学者や一般市民、政策決定者に向けた警鐘になれば」と述べ、政府が実業界と連携して対策を講じなければ、こうした種は絶滅すると話した。
絶滅しつつある霊長類の一例として、西アフリカに生息するウォルドロンアカコロブスはこの25年の間目撃情報がない。ジャワ島のスローロリスなどは主に違法取引によって絶滅の瀬戸際に追い込まれている。