害虫駆除はクモが適任?、年間4億~8億トンの昆虫を捕食
(CNN) クモは年間に推定4億~8億トンの昆虫を捕食し、害虫駆除に大きな役割を果たしている――。スウェーデンの大学などの研究チームがそんな研究結果を発表した。
この研究はルンド大学などの研究チームが14日の科学誌サイエンス・オブ・ネイチャーに掲載。「クモが捕食する量は、年間2億8000万~5億トンと推定されるクジラの捕食量に匹敵する」と指摘した。
これと比較して、人間が消費する食肉や魚は年間4億トン程度にとどまる。
大量の昆虫を捕食するクモは、伝染病や寄生虫を媒介する害虫駆除の役割を果たす。生息地は北極圏の島から砂漠に至るまで幅広く、湿地や砂丘など、餌が見つかる場所であればどんな環境にでもすみついている。
研究チームでは、世界に生息するクモの総重量を約2500万トンと推計し、クモが捕食する昆虫の量と、1平方メートルあたりに生息するクモの平均数を計算して、年間の捕食量を推計した。
「クモは特に森林や草地で、昆虫の生息数に対して相当の捕食圧力を加えている」と研究チームは解説している。