エベレストの正確な高さ、ネパール政府が計測へ本腰
(CNN) 世界最高峰エベレストの高さは地震や地球温暖化、地殻変動の影響で変化しているとの説が絶えない。これを正式に確認するため、ネパール政府が測量事業に乗り出している。すでに予備的な調査には着手しており、来月には公式にスタートする。計測結果は2年以内に出る見通しとなっている。
エベレストは、世界最高峰と判明した1850年代、インド測量局の元長官で英国人のジョージ・エベレスト卿にちなんで名付けられた。同局の測量で、山頂の標高は8840メートルと割り出された。その後、1955年の測量で8848メートルに修正され、これが今も公式の標高とされている。
ネパール測量当局の責任者はCNNとのインタビューで、「エベレストの標高が変化した可能性は複数の研究で指摘されている。政府としてこれを実際に調べ、究明する責任がある」と述べた。
測量事業は2012年から検討されていたが、実現には至っていなかった。15年のネパール大地震で高さが変わったのではないかとの指摘が世界各地から相次ぎ、着手のきっかけになったという。
測量にかかる予算は約150万ドル(約1億6500万円)。すでに小規模なグループが、東部ウダイプル郡にある標高約1500メートルの地点で予備的な作業を始めている。
ここからエベレスト山頂まで2キロごとに測定ポイントを設け、正確なデータを記録していく計画だ。事業は来月半ばに正式にスタートする。
同責任者は、8月までに約50人のチームを編成したいとの意向を示す。世界各地の山で同様の測量を経験した専門家らに声を掛けているという。国際測地学協会(IAG)のような団体にも協力を求め、シェルパ(登山ガイド)たちに全地球測位システム(GPS)機器の設置方法を教える研修を実施する。