人々を魅了し続ける「カリブの海賊」、その実像に迫る<上>
(CNN) 財宝や名声、栄光を求めて荒海を突き進む海賊たち。歴史上に初めて登場して以来、その存在は大衆文化の一部となってきた。海賊の略奪行為についての物語は17~18世紀の人々を大いに魅了した。
300年後の現在でも、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」に登場する海賊ジャック・スパロウらの話は相変わらず人気がある。
だが、こうした海賊の描写は現実に基づくものなのだろうか。頭蓋骨(ずがいこつ)と交差した骨をあしらい、風にはためく黒旗などは実在したのだろうか。
答えは「イエス」だ。ただ、史実は大スクリーンで見るどんな物語よりも驚くべきものだ。
いわゆる「海賊の黄金時代」なるもののきっかけを作った人物を1人挙げるとすれば、それはヘンリー・エイブリーになる。
商船の乗員だったエイブリーは他の多くの水夫と同様、体制のあり方への幻滅を深めていた。
海賊についての著書があるコリン・ウッダード氏によると、こうした商船の多くでは、水夫たちが船長や船主から不当な扱いを受けていた。公正な賃金の支払いが行われず、傷んだ食事を与えられたり、補給物資が不足した状態での航海を余儀なくされたりしたという。