16世紀に米大陸襲った疫病、サルモネラ菌が原因か

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研究は独マックス・プランク研究所で行われた

研究は独マックス・プランク研究所で行われた

(CNN) 16世紀にグアテマラやメキシコ、さらにペルーの一部でも猛威を振るった疫病について、遺骨のDNAを新たな技術で分析した研究により、サルモネラ菌に属する病原菌の存在が明らかになった。

疫病は当時「ココリツリ」と呼ばれ、人口の8割を死滅させた。患者の遺体が埋葬されたメキシコ南部オアハカの墓地で10体の歯を分析したところ、サルモネラ属菌の一つ、パラチフスC菌のDNAが見つかった。研究結果は15日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。

疫病の症状からチフスの可能性は長年指摘されてきたが、今回初めて菌が特定された。

米大陸でサルモネラ感染症が起きたのは、この時が最初だったとみられる。当時、欧州からこの地域へやって来た征服者たちが持ち込んだ可能性が高いという。

研究をまとめた独マックス・プランク研究所の分子古病理学者、クリステン・ボス氏は「古い時代のDNAから病原体の候補が特定できたのは初めてだ」と語る。

オアハカの墓地は、ココリツリとの関連が判明している唯一の墓地。疫病のまん延で街全体が近くの谷へ移動したため、墓地は何世紀も手つかずで放置されてきた。厚い地盤に守られて、研究には最適の条件がそろっていた。

ココリツリについては資料があまりなく、病状の経過が速いため遺骨が変形するなどの痕跡もみられない。

遺骨から病原体のDNAを探し当てようと一つひとつ試すには膨大な作業量を要するが、メタゲノム解析という新技術を使えば、そこに存在する微生物のDNAを一度に全て調べることができる。

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