バチカンのシスティーナ礼拝堂、絵画の点検作業に密着

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システィーナ礼拝堂の内装に描かれたミケランジェロ作「最後の審判」

システィーナ礼拝堂の内装に描かれたミケランジェロ作「最後の審判」

(CNN) バチカンにあるシスティーナ礼拝堂は、ミケランジェロの天井画など数多くの絵画作品を内装に描いていることで知られる。年に1度行われるこれらの作品への大がかりなメンテナンス作業を、CNN記者が独占取材した。

膨大な数に上る作品群の点検は、観光客がいなくなった夜間に実施される。バチカンの専門チームが高所作業用の重機に乗り、礼拝堂の壁や天井に描かれたフレスコ画の状態を確認。表面にたまった埃(ほこり)を取り除き、傷み具合を点検する。

点検・修復作業の責任者を務めるフランチェスカ・ペルセガーティ氏は、作品を保全するうえで観光客がもたらす塩分を含んだ湿気が問題になっていると説明する。作業チームはフレスコ画の表面を覆った塩分を蒸留水で溶かし、和紙で吸い取って除去していく。

システィーナ礼拝堂では見えないところに設置した30基のセンサーで、建物内の温度、空気の循環、観光客の数などを測定。温度は22~24度、湿度は55~60%程度を維持する必要があるという。

500年以上前に描かれたフレスコ画の色彩を保つため、多波長のカメラで作品を撮影し、年数に伴うわずかな色の変化を検出する作業も行う。

バチカンのこのような取り組みにより、過去の作品を鑑賞する喜びが未来へと受け継がれていく。

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