女性の頭蓋骨に穴、死後に生まれた胎児 イタリア中世の棺から発見
女性は発熱やけいれん、脳出血、高血圧などの症状を伴う子癇(しかん)を患っていて、治療のために穿頭術が行われた可能性もある。
「この時代に妊婦の疾患に対する医学的アプローチが存在していたことを物語るという点で、今回の研究は極めて重要」と研究者は解説する。
頭蓋骨の穴の周辺には治りかけた痕跡があり、この部分を調べた研究チームは、女性が死亡したのは手術の1週間後だったと推定した。穿頭術で女性を救うことはできず、女性は出産できないまま死亡したと思われる。
母親が死亡しても、胎児を救うことができた可能性があるかどうかについては、母親の病状や具体的な治療法について確かなことが分からないため、不明だという。
それでも今回の発見は、中世の外科手術と妊娠の状態を解明する手掛かりになると研究チームは指摘している。