冥王星に「地球のような特徴」、メタン粒子の砂丘も 国際研究
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の探査機「ニューホライズンズ」が冥王星に接近通過してから3年近く。5月31日に米科学誌サイエンスに発表された論文で、冥王星には砂丘などの「地球のような特徴」があることが明らかになった。
ただ、冥王星の砂丘は地球のものとは異なり、固体メタンの氷の粒でできている。太陽系で砂丘が存在するのは地球と火星、金星、土星の衛星タイタンと彗星(すいせい)「67P」だけだ。
論文共著者の米ブリガムヤング大准教授は声明で、「最初にニューホライズンズの画像を見たとき、砂丘が存在すると即座に思った。大気が少ないことは分かっているので本当に驚きだった」と明かした。そのうえで、「地球の30倍も太陽から離れているにもかかわらず、冥王星は地球のような特徴を持っていることが判明した」としている。
惑星科学者や物理学者、地理学者らの国際研究チームは今回、冥王星の表面をとらえたニューホライズンズの詳細な画像を分析した。
冥王星で最大級の地形を構成する広大な氷原「スプートニク平原」では、一定間隔で並ぶ357の尾根や、風でできた6本の暗い筋も見つかっている。
研究チームは風の筋や砂丘のような地形の分析に加え、数量モデルなども組み合わせることで、冥王星の砂丘を形成したとみられる仕組みを突き止めた。
砂丘の場合、微粒子がいったん大気中に舞えば、あとは風による形成が可能だ。冥王星の表面気圧は地球の10万分の1であり、こうした粒子は比較的簡単に舞い上がる。
固体が直接気体に変化する昇華が表面で起こっていれば、こうした現象もあり得るという。冥王星では太陽が氷の表面を熱することで、大気中に気体が放出されている可能性があり、これもメタン粒子を舞い上げる要因になっているようだ。