木星に近い軌道の小惑星、45億年前に太陽系外から「移住」

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黄色の丸で囲まれたのが「2015 BZ509」

黄色の丸で囲まれたのが「2015 BZ509」

(CNN) 太陽系の外で形成された「恒星間小惑星」でありながら、太陽系に飛来した後は他の惑星などと反対方向に公転しつつ太陽系内にとどまり続ける――そんな「移住者」のような特徴を持つ天体の最新の研究論文が21日刊行の天文学会誌に掲載された。

「2015 BZ509」の番号が付されたこの恒星間小惑星については、太陽系が形成される初期段階の45億年前に太陽の重力に引かれて飛来し、以後その周りを回り続けていることが明らかになった。

昨年10月にはハワイの天文台で初の恒星間小惑星「オウムアムア」が観測されたが、オウムアムアが太陽系を離れると予想される「訪問者」なのに対して、同じ天体望遠鏡で観測された2015 BZ509は木星とほぼ同じ軌道で太陽の周りを回り続ける。このため、研究者から太陽系への「移住者」と呼ばれる。

太陽系内にとどまる恒星間小惑星が確認されたのは初めて。

2015 BZ509は、他のほとんどの惑星、小惑星と反対の方向に公転することがわかっている。今回の研究論文を執筆したブラジル・サンパウロ州立大学のヘレナ・モライス教授は「当該の小惑星と木星の公転周期は同じだが、一方は時計回りに、もう一方は反時計回りに太陽の周りを回っている。したがって太陽の周りを1周する間にお互い2度すれ違うことになる」「このパターンが永遠に繰り返される」と説明する。

2015 BZ509が太陽系で形成されたなら、公転の方向は他の惑星と一致すると考えられる。本来は太陽系に近い別の恒星系に属していたが、重力の相互作用の結果、太陽系の軌道にとらえられたとモライス教授は述べる。

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