火星の土壌に有機物発見、大気中メタンも NASA探査機
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は7日、火星探査機キュリオシティによりクレーター内の30億年前の泥岩から採取された土壌試料の中に、有機物が見つかったと発表した。キュリオシティは大気中のメタンも検出している。
地球外生命の探索では、有機化合物や分子など、生命の基礎構成要素が焦点となる。ただ、こうした有機物などは生命とは無関係に存在することもできる。
有機物は過去の生命についての詳細な情報を記録していたり、生命の食料源となっていたりする可能性があり、火星の研究者にとっては「化学的な手がかり」の役割を果たすという。
一方、メタンは最も単純な有機分子と考えられており、土星と木星の衛星など生命を宿す可能性のある太陽系内の他の場所にも存在する。
今回の発見については、米科学誌サイエンスに7日発表された研究論文2本でも詳述されている。研究者はこれらも併せ、一連の発見が「宇宙生物学の突破口」を開くものになるとの考えだ。
論文の著者でNASAゴダード宇宙飛行センターの太陽系探査部門責任者を務めるポール・マハフィー氏は、「我々は有機化合物をめぐる調査を大幅に拡大させた。有機化合物は生命の存在を探るうえで根本的な要素だ」と話す。
2つの論文は以前の検出結果に立脚しつつ、これをさらに押し進めたもの。以前の調査でも、火星における大気中メタンや過去の有機化合物を小規模な形で検出していたが、議論を招く内容であったり、理解に必要な文脈を欠いていたりしたという。
しかし今回のキュリオシティのデータは、火星上の条件や環境に関して鮮明で決定的な見取り図をもたらしている。今より生命の存在に適した条件がそろっていた数十億年前の火星の様子についても、理解が進みそうだ。