乳幼児の死亡率、100年ぶりの上昇傾向続く 英国
(CNN) 英国で乳幼児の死亡率が上昇を続けている。このほど発表された報告書では、このままのペースが続いた場合、死亡率は2030年までに他の欧州15カ国に比べて140%高くなると予測した。
英小児保健機関RCPCHがまとめた報告書によると、英国の乳幼児の死亡率は、2015年の統計で100年ぶりに上昇に転じ、16年も上昇が続いた。1000人当たりの死亡率は、2014年が3.6人、15年が3.7人、16年は3.8人だった。それ以前は全土で死亡率の低下が続いていた。
他の欧州諸国で乳幼児の死亡率が減少傾向にある中で、英国だけ2年連続で死亡率が上昇した理由は分かっていない。一時的な現象なのか、懸念すべきトレンドなのかも不明だが、報告書の筆頭筆者、ラッセル・バイナー氏は「(英国の)貧困や格差が欧州の他の国よりも大きいことと関係がある」と推測する。
たとえ乳幼児の死亡率が再び減少に転じて2001~14年のペースに戻ったとしても、2030年までの死亡率は他の欧州諸国よりも80%高くなる見通し。「年少の母親の比率、妊婦の喫煙率、母乳を与えない人の割合は、他の欧州諸国よりも悪い」とバイナー氏は指摘している。
なお、米国では乳児の死亡率が英国よりもさらに高く、2016年の統計で1000人当たり5.9人に上っている。