黒海で発見の難破船、原形残す「世界最古」の船と判明
(CNN) 黒海を調査していた考古学の研究チームが発見した難破船について、年代測定の結果、紀元前400年にさかのぼることがこのほど明らかになった。
船は古代ギリシャで使用されていた交易船とみられ、マストがそのまま残るなど保存状態は極めて良好。本来の姿をとどめた船としては世界最古のものになるという。
黒海海洋考古学プロジェクトのメンバーがこの船を発見したのは2017年。最近になってその画像を公開していた。
プロジェクトの中心となっている英サウサンプトン大学のジョン・アダムス教授は「古典文学の世界に登場するような船が、ほとんど無傷のまま深さ2000メートルを超す海中に眠っていた。まったく信じられない話だ」「この発見は、古代の造船や航海に関する我々の理解を一変させるだろう」と語った。
研究者らは、この船が大英博物館所蔵の「セイレーンのつぼ」に描かれたものと同じ種類だと考えている。
これまで同プロジェクトが発見した難破船の数は60隻を超える。その中には17世紀のコサックの軍船や商品を積んだままのローマ時代の交易船などが含まれる。
約2400年前のギリシャの交易船が極めて良好な保存状態で見つかった要因としては、深海のため周囲の水の酸素濃度が極めて低かったことが挙げられる。