NASA探査機、小惑星ベンヌで水の成分発見
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は11日までに、新型探査機「OSIRIS-REx(オシリス・レックス)」が着陸予定の小惑星「ベンヌ」から水の成分を発見したと発表した。
2016年に打ち上げられたオシリス・レックスは、先ごろベンヌの上空に到着。2つの分光計を使って調べたところ、水素と酸素が結びついた分子が見つかったという。今回のミッションに携わる研究者は、小惑星全体に存在する粘土鉱物の中に、これらの分子が閉じ込められているとみている。
ベンヌはより大きな小惑星の一部だったと考えられており、水の成分は「親」に当たるその小惑星の名残りだとみられる。
ミッションに参加するNASAのエイミー・サイモン氏は、「小惑星全体に含水鉱物が存在することで、太陽系形成の初期から残るベンヌがオシリス・レックスのミッションにとっての素晴らしい研究サンプルであると確認できた」と説明。原初段階の有機物の組成などを研究するうえで貴重な手掛かりになるとの見方を示した。
オシリス・レックスはベンヌに着陸して試料を回収し、2023年に地球に帰還する計画。NASAが探査機を打ち上げて小惑星から試料を持ち帰るミッションを行うのは今回が初めてとなる。サイモン氏は、地球に届いた試料は研究者にとって「宝の山」であり、太陽系の成り立ちと進化についての新たな情報が豊富に得られる可能性があると期待を寄せる。
研究者らはベンヌの実際の形状や直径、回転速度、軌道傾斜角の大きさなどについても、オシリス・レックスからの情報によって正確な数値を割り出したい考えだ。