恐竜絶滅の証拠か、隕石落下による「化石の墓場」発見 米中西部
(CNN) 米中西部ノースダコタ州で、約6500万年前に起きた隕石(いんせき)の落下によって死んだとみられる生き物の化石が大量に発見された。研究者からは、今回見つかった「化石の墓場」は、隕石の衝突によって恐竜が絶滅したことの証拠だとの声も出ている。
カンザス大学とマンチェスター大学の古生物学者のチームが調査報告書を発表した。現場で保存状態の良い動物や魚の化石が大量に見つかったという。
6500万年前の隕石の落下によって、メキシコ・ユカタン半島に「チクシュルーブ・クレーター」が生み出された。このときの隕石の落下によって地球上の動植物の75%が絶滅したとされる。
隕石が衝突した衝撃によって生み出されたものの中には、巨大な津波や、岩や砂、小さなガラス玉といった噴出物が含まれる。
報告書によれば、クレーターからノースダコタ州まで津波が到達するには17時間以上の時間がかかったが、地震波の到達は数十分後だったとみられる。
ノースダコタ州の発掘現場では、淡水魚をはじめ、陸生脊椎(せきつい)動物や樹木、アンモナイト、そのほかの海洋生物が大量に発見された。
マンチェスター大の古生物学者で報告書の執筆を行ったフィル・マニング氏は今回の発見について、地質学的かつ古生物学的にユニークな「宝の山」が見つかったと表現。6500万年前の隕石落下によって、より大きな生命体が死んだことの直接的な初めての証拠だと指摘した。
一方で、こうした指摘に懐疑的な見方も出ている。
エディンバラ大学の研究者はCNNの取材に対し、地質学的な解釈については非常に信頼に足るように思えるとしながらも、恐竜の絶滅につながったとする点については明らかではないようだと指摘。今回発表された調査報告書で言及された恐竜の化石は、寛骨の一部の1点だけだとし、さらなる研究を期待したいと述べた。