マレーシアで飼育のスマトラサイ、最後の雄が死ぬ 絶滅危機に
(CNN) マレーシアで飼育されているスマトラサイのうち、最後に残っていた雄の「タム」が死んだことが分かった。地元保護団体が27日、フェイスブック上で確認した。
タムは臓器不全の末に息絶えたという。これにより、マレーシアに残るのは雌の「イマン」のみとなった。同団体は、もはや絶滅が避けられないとの見方を示した。
スマトラサイは世界のサイの中で最も小さく、成体でも1.3メートルほどの高さ。アジアに生息するサイでは唯一、角が2本あり、全身が体毛で覆われている。
インドネシアとマレーシアのボルネオ島サバ州、マレー半島、タイ南部にも少数が生息。野生の生息数ははっきりしないが、国際保護団体によると80頭を切っているとみられる。
タムは捕獲されてサバ州の自然保護区に迎えられた。保護区内にいた雌2頭との繁殖に大きな期待が集まったが、この2頭の不妊が判明。米国とインドネシアが取り組んでいた国際的な繁殖プログラムも社会政治的、生物学的な問題と不運に阻まれて不成功に終わったという。
マレーシアではその後、体外受精などの試みも繰り返されたが、成功には至っていない。
サイの仲間ではこのほか、2013年に西アフリカクロサイの絶滅が宣言された。キタシロサイも昨年、最後の雄が死んで絶滅寸前となっている。