脳腫瘍の5歳児に贈られた宝物、盗んだ2人組が涙の謝罪 米
(CNN) 米ワシントン州で、自閉症と脳腫瘍(しゅよう)をわずらう5歳の男の子に贈られたチャンピオンベルトのレプリカを盗んだ2人の女性が、男の子の境遇を知ってベルトを返しに現れ、謝罪する出来事があった。
デラウェア州シーフォードに住む5歳のティミー・ビック君は昨年10月、脳腫瘍と診断された。両親はプロレスの大ファンのティミー君のためにお金を貯め、WWEプロレスのチャンピオンベルトのレプリカをプレゼントすることにした。
ベルトを本物そっくりに見せるため、両親はフェイスブックを通じ、ベルトをデザインしたワシントン州のセルジオ・モレイラさんに連絡を取っていた。
モレイラさんは報酬を受け取らずに協力すると申し出たという。プラスチックの装飾をジルコニアに入れ替え、プレートを厚くするなどして、テレビに映る本物のベルトにできるだけ近づけるつもりだった。
ところがティミー君の両親がモレイラさん宛てに送ったベルトが、モレイラさん宅の玄関先で盗まれる被害に遭った。玄関カメラには、ベルトの入った小包を持ち去る2人組の姿が映っていた。
警察はカメラに映った2人組の映像を公開し、地元メディアはティミー君の境遇を伝えた。
数日後、2人の女性がベルトを返すため、モレイラさん宅を訪れた。4枚の紙につづった手書きの手紙も添えられていた。
モレイラさんによると、2人はホームレスの麻薬中毒患者で、小包の中身を売ってお金に換えるつもりだったと打ち明けたという。「2人はとても悲しそうな顔をして泣いていた」とモレイラさん。2人を抱き締め、体に気を付けるよう告げた。
手紙には、「私はどんなことがあっても、病気の5歳児から物を盗むようなことはしないでしょう。自分のやったことを恥じています」とつづられていた。