1千年前のマヤ文明の宮殿発見、聖職者ら使用か メキシコ
(CNN) メキシコ南東部ユカタン半島でこのほど、1000年以上前のマヤ文明の宮殿遺跡が発見された。
メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)によると、遺跡はリゾート地カンクンの西方約100キロ、ユカタン州クルバ考古学地域で見つかった。
建物の大きさは高さ約6メートル、長さ約55メートル、幅約15メートルに及ぶ。専門家は、マヤ文明の2つの時代を通じて、聖職者や役人がこの建物を利用していたと推測する。宮殿の他には寺院、住居などの石作りの構造物も見つかっている。
発掘に携わった考古学者のアルフレード・バレラ氏は「作業はまだ初期段階。この場所で最も巨大な構造物の1つを発掘し始めたに過ぎない」と語り、未解明な部分も多いマヤの文明社会の解明に向けて意欲を示した。
INAHによると、宮殿の建物や陶磁器、壁画の技術は同じくユカタン半島にある世界遺産チチェン・イッツァの技術に似ている。チチェン・イッツァもマヤ文明の遺跡で、その歴史は5世紀にまでさかのぼると見られている。
遺跡はまだ一般公開されていない/Mexico's National Institute of Anthropology and History/Reuters
マヤ文明は現在のメキシコや中米北西部にかけて繁栄したメソアメリカ文明の一つで、紀元前2000年からスペイン人による征服まで続いた。
クルバ遺跡は復元作業が終わるまで一般には非公開となっている。