シベリアで発見の凍った鳥、4万6千年前のハマヒバリと判明
(CNN) ロシアのシベリアで見つかった氷河時代の鳥の死骸について、4万6000年前のハマヒバリのものと判明したとの論文が、学術誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」に21日発表された。
鳥の死骸はシベリア北東部の村、ベラヤ・ゴラの永久凍土に埋まっているのを地元の化石ハンターが発見し、調査のためにスウェーデン自然史博物館のニコラス・ダセックス氏やラブ・ダレン氏を含む専門家チームに送っていた。
放射性炭素による年代測定の結果、4万6000年前ごろに生息していた鳥であることが判明。遺伝子解析によってハマヒバリと特定された。
ダレン氏はこの鳥について、調査の結果、ロシア北部とモンゴル草原に住む2種類の亜種の祖先である可能性が示されたと説明。「氷河時代末期の気候変動が新たな亜種の誕生につながった可能性がある」と語る。
鳥の死骸はシベリア北東部の村、ベラヤ・ゴラで見つかった/Love Dalén
ダセックス氏によると、鳥の死骸が残っていた理由については永久凍土の低温環境によって大体説明がつくという。だが、ここまで状態がいいのは極めて異例だという。
「これほど小さく壊れやすい死骸がほぼ原形のまま残っていたのは、泥が徐々に堆積(たいせき)したか、あるいは少なくとも土壌が比較的安定していて、絶命時に非常に近い状態が保たれていたことを示している」(ダセックス氏)
ダレン氏によると、今後の研究ではこの鳥の全ゲノム配列を解読する予定。これにより現存する亜種との関係についてさらなる事実が判明し、ヒバリの進化のペースの推定につながりそうだ。
この地域で調査に当たる研究者は、他にもオオカミやマンモス、ケブカサイといった動物の死骸を発見してきた。今回のハマヒバリの発掘現場では1万8000年前のイヌ科動物の子どもの死骸も見つかっており、こちらも両氏が研究を進めている。