世界中のサンゴ礁、2100年までにほぼ全滅の恐れ 最大要因は気候変動
(CNN) 地球上のサンゴ礁は、気候変動の影響で2100年までにほぼ全滅してしまうかもしれない――。ハワイ大学マノア校の研究チームが、そんな暗い未来を予告した。
この発表は、同チームが海洋科学会議で17日に行った。世界のサンゴ礁のおよそ70~90%は、海水の温暖化や酸性化、海洋汚染が原因で20年以内に消滅すると予測している。
一部ではサンゴ礁の再生を目指す取り組みも進められているが、それでも地球上のサンゴ礁を救うことはできそうにないとした。
研究チームは酸性化、海水温度、人口密度、漁船の活動といった要素を考慮して、サンゴ礁の再生プロジェクトに適した場所を特定した。しかし世界の海洋について調査した結果、たどり着いたのが、「2100年までに、サンゴの生息に適した環境はほとんどなくなるか、皆無になる」という結論だった。
同チームのシミュレーションによれば、現在サンゴ礁がある海の大部分は2045年までにサンゴに適さない環境となり、2100年までにこうした環境は悪化の一途をたどる。
2100年までにサンゴ礁が再生できる可能性のあるごく少数の地域として、メキシコのバハカリフォルニア州沖やアフリカ北東部の紅海などを挙げているが、そうした海でさえも、河川に近いことからサンゴ礁にとって理想的な環境ではないとした。
サンゴを死滅させる最大の要因は気候変動にあると研究チームは位置づけ、「海岸の清掃や汚染対策も素晴らしい。そうした取り組みは続ける必要がある」「だが最終的には、サンゴを守るために我々が真に推進しなければならないのは気候変動対策だ」と強調している。