オスは不要、コモドドラゴンの赤ちゃん「単為生殖」で誕生 米動物園

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米テネシー州の動物園で飼育されているメスのコモドドラゴンから、オスの介入なしに3匹の赤ちゃんが誕生した/Courtesy Chattanooga Zoo

米テネシー州の動物園で飼育されているメスのコモドドラゴンから、オスの介入なしに3匹の赤ちゃんが誕生した/Courtesy Chattanooga Zoo

(CNN) 米テネシー州の動物園で飼育されているメスのコモドドラゴンから、オスの介入なしに3匹の赤ちゃんが誕生した。同動物園がフェイスブックを通じて発表した。

同州チャタヌーガ動物園の発表によると、メスのコモドドラゴン「チャーリー」が初めて産んだ卵から、3匹の子どもが孵化(ふか)した。この3匹は、オスが介入しない「単為生殖」という現象によって誕生していたことが判明。生まれた赤ちゃんは「オニックス」「ジャスパー」「フリント」と命名された。

同動物園は繁殖を期待して、チャーリーをオスの「カダル」と一緒に飼育していた。昨年8月に赤ちゃんが誕生したが、チャーリーとカダルの繁殖行動が確認できなかったことからDNA鑑定を行ったところ、カダルは父親ではなかったことが分かったという。

科学誌サイエンティフィック・アメリカンによると、単為生殖は脊椎(せきつい)動物では極めて珍しく、この能力をもつ全脊椎動物は約0.1%に当たる70種のみ。

同動物園によると、コモドドラゴンは野生の中で孤立して生息し、接近されると攻撃的になることから、進化して単為生殖ができる能力を身に着けた。

「単為生殖」で誕生したコモドドラゴンの赤ちゃん/Courtesy Chattanooga Zoo
「単為生殖」で誕生したコモドドラゴンの赤ちゃん/Courtesy Chattanooga Zoo

サイエンティフィック・アメリカンによると、単為生殖は卵子が精子ではなく別の卵子によって受精することで起きる。コモドドラゴンの単為生殖の事例は2006年に初めて報告されていた。

コモドドラゴンのメスはWZの染色体を持ち、オスはZZの染色体を持つ。単為生殖の場合、メスが形成できるのはWWまたはZZの染色体の卵のみで、WWの卵は生き残ることができないため、ZZの卵のみが残って全てオスの赤ちゃんが孵化する。

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