巨大な小惑星が地球に最接近、望遠鏡でも観測可能
(CNN) 直径2キロに近い巨大な小惑星が、29日に地球に最接近する。ただし地球への衝突は予想されていない。
地球に接近しているのは、1998年に発見された小惑星「52768(1998OR2)」。米航空宇宙局(NASA)の地球近傍天体研究センターによると、米東部標準時の29日午前5時56分(日本時間同日午後6時56分)、地球から約630万キロの距離を、時速3万キロ以上の速度で通過する。この距離は、月と地球の距離の16倍に相当する。
同センターは地球に衝突する可能性のある天体を観測しており、今回接近する小惑星については20年前から観察を続けていた。
小惑星の様子はイタリアの仮想望遠鏡サイトで生中継される。
NASAは今回の小惑星が最初に発見された時点で、もしも地球に衝突したとすれば、「世界的な影響を及ぼすほど大きい」と指摘していた。
白い線が1998OR2の軌道/Arecibo Observatory/NASA/NSF
プエルトリコのアレシボ天文台がとらえたこの小惑星の姿は、まるで地球接近を認識してマスクを着けているようにも見える。
1998OR2は直径が150メートルを超え、地球の800万キロ以内に接近することから、潜在的に危険な天体に分類されている。アレシボ天文台ではこの小惑星の観測を続けて今後の軌道を特定し、地球に危険を及ぼすことがないかどうかを見極める。
同天文台の研究者は、「1998OR2は2079年、今年に比べて地球におよそ3.5倍近い距離を通過する。従って正確な軌道を把握することが大切だ」と話している。