ロンドンで16世紀の劇場跡を発見、市内最古か

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16世紀の劇場「レッド・ライオン」の跡とみられる構造物がロンドン東部で見つかった/Archaeology South-East/UCL

16世紀の劇場「レッド・ライオン」の跡とみられる構造物がロンドン東部で見つかった/Archaeology South-East/UCL

(CNN) 英国の考古学者のチームがこのほど、ロンドン東部ホワイトチャペル地区の建設現場の地下から、同市で最古とみられる劇場の跡を発見した。

エリザベス朝様式のこの劇場は「レッド・ライオン」の名で知られ、1567年ごろに建てられたとみられる。ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の考古学研究所に属するチームが明らかにした。

劇場の存在は当時の史料に記録されているものの、物質的な証拠はこれまで見つかっておらず、実際の所在地も確認できていなかった。それでも現時点での証拠を総合して考えると、今回の発見がレッド・ライオンの建物跡であることは「97%間違いない」と、発掘責任者のスティーブン・ホワイト氏は語る。

劇場の舞台の外観を再現した3D図/Archaeology South-East/UCL
劇場の舞台の外観を再現した3D図/Archaeology South-East/UCL

発掘現場からは劇場に使用されたとみられる木材が腐食の進んだ状態で見つかった。ホワイト氏は、あと10年発掘が遅れていたらこれらの木材は完全に朽ちていただろうと指摘。「発見できたのは奇跡以外の何物でもない」と強調した。

1567年の法律文書には、レッド・ライオンと呼ばれる建物に木製の舞台が設置されていたとの記述がある。また2年後に書かれた別の文書によれば舞台の寸法は南北に約12メートル、東西に約9メートル、地面からの高さは約1.5メートルだった。

もともと農場付きの建物でビールなどを提供していたレッド・ライオンは、16世紀後半に舞台と座席を建設して劇場を運営。その後は宿屋として少なくとも18世紀まで事業を継続した。

17世紀のジョッキも出土した。英国王チャールズ2世を支持する王党派の円形模様が彫られている/Archaeology South-East/UCL
17世紀のジョッキも出土した。英国王チャールズ2世を支持する王党派の円形模様が彫られている/Archaeology South-East/UCL

レッド・ライオンに劇場を作った事業家のジョン・ブレインは、この経験をもとに1576年、同じロンドンのショーディッチ地区の劇場建設に携わる。この劇場では1590年代、若手の劇作家だったシェークスピアの作品が複数上演された。

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