両脚義足の5歳男児、10キロ歩いて1.3億円集める 命救った病院に恩返し
ロンドン(CNN) 英国で両脚に義足をつけた5歳の男の子が、生後間もないころに自分の命を救ってくれた病院のために、1カ月で計6マイル(約10キロ)を歩いて寄付を呼び掛けたところ、100万ポンド(約1億3400万円)以上が集まる出来事があった。
トニー・ハジェル君は新生児のときに生みの両親から虐待を受け、ロンドン市内の小児病院で生命維持装置を装着。両脚を切断する結果になった。
トニー君は当初、6月いっぱい歩行を続けることで、同病院のために500ポンドを集める予定だった。しかし、寄付金はすぐに目標額を上回り、インターネット上の募金ページには1日時点で110万ポンドが集まっている。
トニー君は6月30日、イングランド南東部の地元ウエストマリングに詰めかけた人々を前に完走を果たし、養父母らと喜びを分かち合った。
養母は英PAメディア通信社の取材に、「ほんの数週間前までトニーは数歩歩くことも難しかったことを考えると、信じられないような気持ちだ。彼は強く、諦めない心を持つ男の子。本当に誇りに思う」と語った。
トニー君が松葉づえによる歩行を習得したのはつい最近だが、100歳の退役軍人「トム大尉」ことムーアさんに触発されてチャレンジを完遂した。ムーアさんは自宅の庭を100周歩くことで、英国民保健サービス(NHS)のために4000万ドル(約43億円)以上を集め、一躍時の人となった。
トニー君に対しては国内の多くの有名人が支援を表明。その中には英王室のキャサリン妃やキャメロン元英首相、英プレミアリーグのチェルシーに所属するアスピリクエタ選手も含まれている。
集まったお金は、養父母がトニー君の「第2の家」と呼ぶエバリーナ・ロンドン小児病院に寄付される。