コロナワクチン、各地で開発進む オックスフォード大の治験でも効果
治験では500人以上の対象者を3つのグループに分け、それぞれ高用量、低用量のワクチンとプラセボ(偽薬)を投与した。
その結果、28日以内に高用量グループの95%、低用量グループの91%が抗体またはT細胞による免疫反応を示した。中和抗体の産生は高用量グループの59%、低用量グループの約半数で確認されたという。
同社のワクチン候補は風邪の原因となるアデノウイルスを弱め、そこへ新型ウイルスの遺伝子を搭載させてつくる。このため、アデノウイルスに感染したことのある人では効果が出にくい可能性が指摘されている。年配者は若者に比べて免疫反応が弱いとの結果も報告され、チームは今後の課題と位置付けている。
20日はさらに、臨床研究者らが未発表の論文を共有する専門サイト「medRxiv」で、米製薬大手ファイザーと独医薬ベンチャー、バイオNテックが共同開発しているワクチンの初期の治験結果が報告された。
両社は今月初めに米国人を対象とした試験のデータを発表していたが、18~55歳のドイツ人60人にさまざまな用量を投与した試験でも、ごく少量で抗体とT細胞による安定した免疫反応が確認されたという。
副作用としてインフルエンザのような症状や注射した部分のはれなどの訴えはあったが、いずれも自然に消え、重い症状は起きなかった。
両社は規制当局の許可を得たうえで、今月末から最大3万人を対象とした第3段階の治験を実施したい構えだ。