中国ロケットが大気圏再突入、モルディブ近くのインド洋に落下か
ニューヨーク(CNN Business) 中国が打ち上げた大型ロケット「長征5号B」の残骸が大気圏に再突入し、地球上への落下が懸念されていた問題で、中国の宇宙開発当局は9日、米東部時間の8日夜に再突入したと発表した。
対話アプリ「微信(ウィーチャット)」上で報告した。再突入に伴い、ロケットの部品の大半は「破壊された」とも主張した。
地球の落下地点については、インド洋の島国モルディブから西へ離れた北緯2.65度、東経72.47度の場所と推定している。
全長約33メートル、重さ約18トンの長征5Bは今年4月29日、中国独自の宇宙ステーションの建設材料を搭載して打ち上げられていた。しかし、燃料が尽き、地球の重力に引き寄せられるまで制御不能の状態で漂流する格好ともなっていた。
今回のような事態を回避するため、衛星搭載などのロケットの残骸処理は一般的に、地球の洋上への落下を狙うためより計算された方法で大気圏への再突入を試みる。あるいは他のロケット残骸などが多く浮遊して周回している軌道に数十年あるいは数世紀にわたってとどめておくための処置を講じる。
しかし、米ハーバード大学の宇宙物理学者によると、長征5号Bの場合はこれらの作業の処理を低軌道で実施するよう設定されているため、残骸の落下時期や地点を正確に見極めるのが不可能の状態になっていたという。
同ロケットは近年の宇宙開発の中で軌道を外れた後、地球に落下する最大規模の物体のひとつとなっていた。