アマゾンのサル、社会環境の圧力下で「話し方」変える 新研究
ARUで進化生物学を専攻するジェイコブ・ダン准教授は、近い関係にある種同士の場合、お互いの違いを際立たせるのではくむしろ適応して共通の特徴を明示する行動を取ることがあると説明する。
ダン氏によれば、2種類のサルが共存するテリトリーで一方の鳴き声が「共通言語」となるのを突き止めた研究はこれまでなかった。
「ともにタマリンに属するこれらの種は同じような資源に依存しているため、こうして『話し方』を変えることでお互いを認識しやすくしている公算が大きい。体が小さく、密林で暮らすタマリンには有益な習性であり、争いを避けられる利点もあるかもしれない」(ダン氏)
研究グループは、社会並びに環境面の圧力がサルの鳴き声の形成において重要であることが研究結果から示されたとまとめた。
絶滅危惧種に指定されているフタイロタマリンは、主にブラジル北部の都市マナウスの周辺に生息。アカテタマリンはアマゾン地域の北東部に暮らしている。