16年前の麻薬密売人、弁護士に就任 支え続けた判事の前で 米ミシガン州
マーテルさんは同大ロースクールに進学して奨学金を受け取った。弁護士としての道徳心を問う人格・適正審査では、モロウ判事が証人になった。応援してくれる人を見つけ、自分の信念をつづった願書を提出し、合格を通知されたときは「赤ん坊のように泣いた」という。
2度目の挑戦で司法試験を突破したマーテルさん。ゴールは目前だった。
宣誓就任式当日。母親やきょうだい、自分の子どもたちを伴ってモロウ判事の法廷に足を踏み入れたマーテルさんは、こみあげてくる感情を抑えるのに必死だった
モロウ判事は言う。「私たちは2人ともものすごく幸せでものすごく興奮していたが、全然たいしたことではないかのように、冷静さを保とうと努めた」「もしエドが口紅をつけていたら、両耳に口紅の跡が付いたはずだ。それくらい大きな笑顔を浮かべていた。あの顔は一生忘れない」
簡単なスピーチの後、マーテルさんは宣誓就任した。判事とかつての犯罪者は、互いを抱きしめて涙を流した。