150年前に「絶滅」のネズミ、孤島で生きていた オーストラリア

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西オーストラリアの島で発見されたネズミ/Wayne Lawler/Australian Wildlife Conservancy

西オーストラリアの島で発見されたネズミ/Wayne Lawler/Australian Wildlife Conservancy

(CNN) オーストラリア西海岸沖の島で、150年以上前に絶滅したと思われていたネズミの仲間が生息しているのが見つかった。オーストラリア国立大学などの研究チームが発表した。

研究チームは絶滅したオーストラリア固有種のげっ歯類8種と、その仲間で現在も生息している42種のDNAサンプルを比較した。その結果、絶滅したとされていた「グールドニセマウス」は、西オーストラリアの孤島に今も生息している「フィールドニセマウス(別名シャークベイマウス)」と「区別できない」ことが分かった。

グールドニセマウスはかつてオーストラリア全土に生息していたが、1857年を最後に目撃情報が途絶えていた。

研究チームは、欧州からオーストラリアへの入植が始まった1788年以降に個体数が減った在来種について調べている。在来種は外来種の導入や農地の開拓、新しい疾病などによって壊滅状態となり、気候変動や制御できなくなった火災も個体数の減少に拍車をかけた。

生き残ったフィールドニセマウスの個体群は、西オーストラリア州沖のシャーク湾にあるベルニエ島で確認された。研究チームは、種の存続のためには1つの小さな個体群だけでは不十分だと判断し、別の2島でフィールドニセマウスを繁殖させている。

論文を発表したオーストラリア国立大学のエミリー・ロイクロフト氏によると、オーストラリア固有種のげっ歯類は絶滅率が異常に高く、1788年の欧州人の入植以来、絶滅した哺乳類の41%がげっ歯類だった。

「グールドニセマウスがまだ生きていたことは素晴らしい。だが本土からの消滅は、かつて全土に分布していた種がどれほど急激に減少し、西オーストラリア沖の島でしか生きられなくなったかを物語る」とロイクロフト氏は指摘している。

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