アジアの熱帯低気圧、今世紀末までに破壊力が倍増か 中国研究

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雨の中、傘をさして歩く人々=7月25日、中国・寧波市/Hector Retamal/AFP/Getty Images

雨の中、傘をさして歩く人々=7月25日、中国・寧波市/Hector Retamal/AFP/Getty Images

今年7月には台風6号と7号が中国中部の河南省に1時間150ミリを超える猛烈な雨をもたらし、中部一帯を襲った水害で300人以上が死亡した。

9月にはハリケーン「アイダ」の名残が米ニューヨークを襲い、50人以上の死者が出た。

研究を率いた香港中文大学の譚志勇(タンジーヨン)博士らは、人間活動が引き起こす気候変動の影響を指摘し、温室効果ガスの排出量削減やアジアにおける災害即応体制の強化を呼び掛けた。

これまでも複数の研究で、海水温の上昇が熱帯低気圧の勢力を強めている可能性が指摘されてきた。米ウィスコンシン大学マディソン校と米海洋大気局(NOAA)が昨年、過去約40年にわたる世界の暴風雨の衛星データを調べた研究では、地球温暖化によって熱帯低気圧が発生する海域の表面温度が上昇していることが確認された。海水温の上昇と大気の状態の変化が重なった結果、暴風雨の勢力が強まりやすくなっている。

熱帯低気圧は上陸時の勢力が強ければ、それだけ遠く内陸部に進み、破壊力も増す。温暖化のほかに、自然の気象サイクルや現象によって熱帯低気圧の強さや頻度が増減することもあり得る。

譚博士は数値モデルから、気候変動が今後も台風の規模や被害を増大させる可能性は高いと予想。アジア内陸部で将来、さらに大きな災害が起きる恐れがあると警告している。

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