アジアの熱帯低気圧、今世紀末までに破壊力が倍増か 中国研究
(CNN) アジアを襲う熱帯低気圧の破壊力は、今世紀末までに倍増する恐れがあるとの研究結果が発表された。
中国の深セン気象創新研究院と香港中文大学の研究者らが、東アジアと東南アジアの熱帯低気圧について1979年から2016年までのデータを分析し、地球科学の専門誌「フロンティアズ・イン・アース・サイエンス」に結果を報告した。
それによると、現在の熱帯低気圧は40年近く前に比べ、継続時間が2~9時間、内陸部に進入する距離も平均100キロ増えていることが分かった。
この期間に最も大きな被害を受けたのは、ベトナムの首都ハノイと中国南部だった。
さらに今世紀末までには、上陸時の平均風速が2メートル強くなることが予想される。熱帯低気圧の最大風速が少し強まるだけで、被害は大幅に増えることが分かっている。
今世紀末までに平均的な熱帯低気圧の継続時間はさらに約5時間、内陸への進入距離は92キロ増加し、破壊力はほぼ倍増するという。
世界全体では過去50年間で、熱帯低気圧による死者が計78万人近く、経済損失額は計約14億ドルに上った。