インドネシア火山噴火を引き起こしたのは豪雨だった 今後増える可能性も
4日に起きた噴火ではガスや灰が入り混じった火砕流が発生し、これまでに30人以上が死亡。今も行方不明者数十人の捜索が続いている。建物は数千棟が破壊され、火山灰の下敷きになって壊滅した集落もある。
噴火の威力は通常よりも大きかった。エコ長官によると、一般的な火山噴火では噴煙の高さは数百メートル程度だが、スメル火山の噴煙は上空15キロの高さにまで吹き上がった。火砕流は地上12キロ以上の範囲に到達し、通常の5キロを大幅に超えた。
インドネシアでは、土壌が肥沃(ひよく)で耕作に適した火山のふもとに数百万人が暮らしている。スメル火山から10キロの範囲内には8000人以上が暮らしていた。
スメル山については活動が活発化するたびに噴火に対する警戒が呼びかけられていた。しかしオーストラリア・モナシュ大学の火山学者ヘザー・ハンドリー氏によると、今回のように大雨によって引き起こされる噴火は予知が難しい。
地球温暖化に伴い、豪雨は世界各地で増えることが予想され、今回のような大規模噴火がほぼ予告なく発生する懸念も強まっている。