寝室の照明、「薄明りでも睡眠に悪影響」と米研究チーム

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わずかな明かりでも睡眠中の体には悪影響が及んでいるとする研究結果が発表された/Shutterstock

わずかな明かりでも睡眠中の体には悪影響が及んでいるとする研究結果が発表された/Shutterstock

(CNN) 寝室にテレビ画面などからの光がついているだけで、睡眠中の体に悪影響を及ぼすという研究結果が新たに報告された。

米ノースウェスタン大学医学部の睡眠医学研究所を率いるフィリス・ジー博士らのチームが、20代の健康な対象者20人の睡眠状態を観察し、その結果を14日付で学術誌の米科学アカデミー紀要(PNAS)に報告した。

同博士らによると、寝室の光は目を閉じていてもまぶたを通過して目から入り、睡眠中の心拍数や血糖値に影響することが分かった。

これまでの研究で、夜間の人工光が体重の増加や肥満、代謝障害、血糖値を一定に保つホルモン「インスリン」の分泌、糖尿病の発症、心血管系のリスク要因と関連することが示されている。

チームの研究では、対象者20人が研究室に連続2晩、宿泊した。一晩目は目を開けた状態でほとんど何も見えないほどの暗い部屋に全員が泊まり、二晩目は無作為に選ばれたグループだけ、枕元に薄明かりのある状態で眠った。「とても暗い曇りの日中か、街灯が窓から差し込む程度の光だ」と、同博士は説明する。

参加者は全員、睡眠の質を測るための装置につながれた。採血で睡眠が中断することのないように長い点滴チューブをつけ、そのチューブが壁の穴を通して研究者らのいる部屋まで届くようにした。

睡眠段階を知るために脳波を取り、呼吸や心拍数、心電図を記録し、睡眠サイクルにかかわるホルモン「メラトニン」の血中濃度を測定した。

ジー博士は、まぶたを閉じた状態で周りからの光が通過する割合は5~10%だと指摘。「それほどたくさんの光というわけではない」と強調する。

それでも、このわずかな光が眠りの各段階に影響する。心拍数やインスリン抵抗性が上がり、交感神経と副交感神経のバランスが崩れる関係で血圧が上がる。ただし、メラトニンの濃度を下げるほどの光ではないことが分かったという。

普通なら夜間に下がるはずの心拍数が上がると、心臓病や早死にのリスクにつながるとの研究が数多く報告されている。

高い血糖値を下げようと、すい臓がインスリンを過剰に分泌した末に疲弊し、分泌量が低下して糖尿病につながる恐れもある。

ジー氏は睡眠時のアドバイスとして、窓のカーテンを閉めて照明を完全に消すことを勧めている。アイマスクの使用を検討してもいい。照明はベッドに入る1~2時間以上前から暗くし始め、睡眠の環境を整えるべきだという。また寝室ではテレビやスマートフォンなどの青色光を避けて、赤や茶色系の明かりを選ぶようアドバイスしている。

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