地球に接近の小型小惑星、早期警戒システムで探知に成功 NASA
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所は15日、地球に接近してきた直径2メートルの小惑星を、大気圏突入の数時間前にノルウェー海の上空で検知することに成功したと発表した。小惑星は11日、大気圏に突入して崩壊した。地球上で被害を発生させるような大きさではなかったとNASAは説明している。
NASAは各国と連携して、地球に衝突の恐れがある小惑星探知のための早期警戒システムを運用している。だが今回の「2022 EB5」のような小型小惑星は、その監視の網をすり抜けることが多く、衝突前に発見・追跡できた小惑星は、今回でまだ5個目にすぎない(なお衝突の恐れがある大型の小惑星は何年も前に、地球からはるかに離れた場所で発見・追跡されている)。
「2022 EB5のような小惑星は無数にあり、およそ10カ月ごとの頻度で頻繁に大気圏に突入している」とNASAの専門家は解説する。「だがそうした小惑星のうち、宇宙空間で発見され、衝突前に集中的に観察できるものは非常に少ない」
2022 EB5は大気圏突入の2時間前、ハンガリー北部にある天文台の天文学者が発見し、小惑星センターの地球近傍天体確認サイトに報告。同センターのデータベースを自動検索しているNASAのハザード評価システム「スカウト」が軌道を計算し、地球の大気圏に突入することが分かると直ちにウェブページに掲載した。これによって2022 EB5を追跡する観測所が増え、軌道計算や衝突場所予測の精度が高まった。
今回の実体験で、さらに大きな天体の衝突の可能性に関しても、NASAの地球近傍天体研究センターの影響予測モデルで情報を提供できる能力の高さが示されたとNASAは評価している。