ガス気球で松の実収穫していた男性、300キロ流される 中国
香港(CNN) 中国でガス気球に乗って松の実を収穫していた男性がコントロールを失い、2日間にわたって300キロ以上風に流される出来事があった。気球は森に着地し、男性は無事に発見・救助された。
名字をフーさんという当該の男性は4日、中国北東部の黒竜江省海林で同僚1人と共に作業していた際、気球のコントロールを失った。同僚は無事に気球から飛び出したがフーさんは機会を逃し、そのまま風に流されていった。
その後は行方が分からなくなったが、携帯電話の信号を頼りに救助隊が捜索に当たり、現地時間の6日午前9時にフーさんを発見した。救助隊には警察や消防から500人以上が加わった。
国営メディアの環球時報が7日に報じたところによると、救助隊が木に引っかかったフーさんの気球を発見した。
フーさんは中国国営中央テレビ(CCTV)の取材に答え、「もう少しで諦めるところだった」「救助隊の方々に感謝する。助けてもらえなければ、生きていられなかっただろう」と語った。
発見されるまでは寒さと空腹に苦しんだというフーさんだったが、腰に軽いけがを負った以外はほぼ無傷だった。
水素やヘリウムで浮かぶ気球を使った収穫法は、近年中国で一般化したが、時折収穫者が風に流される事態が報告されている。それでも今回のフーさんほど遠くに運ばれるケースは珍しい。
2019年には北朝鮮国境付近の長白山脈で松かさを収穫していた2人が気球のコントロールを失い、10キロ流されたと報じられた。その後は無事に着地したが、航空規制に違反したとして2人は逮捕された。また17年には収穫者1人が北朝鮮国境付近で行方不明になった。乗っていた気球の綱が外れたとみられる。
気球がコントロールを失わなくても、松の実の収穫は危険が伴う作業だ。従来収穫者はスパイクのついた靴を履き、木に登って収穫していた。松は高さ20メートルに育つこともあり、転落すれば命にかかわる恐れがある。