小惑星の軌道変更実験、衝突の瞬間とらえた画像公開 伊衛星撮影
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の二重小惑星軌道変更試験(DART)探査機が小惑星「ディモルフォス」に衝突する瞬間を捉えた新たな画像が公開された。
DART探査機のカメラは衝突前、小惑星の地表の映像を地球に送信していた。
新たな画像はDARTに同行していた小型人工衛星「LICIACube」が捉えたもので、衝突の様子を別角度から明らかにしている。
イタリア宇宙機関から提供されたLICIACubeはブリーフケースほどの大きさ。今月11日にDART探査機から展開された後、約55キロ離れた安全な距離から衝突の様子を記録すべく、DARTの後ろを飛行していた。
衝突の3分後、LICIACubeはディモルフォスの脇を通過し、画像と動画を撮影した。ディモルフォスはより大きな小惑星「ディディモス」の周囲を回っている。
一連の画像には、ディモルフォスの地表から飛び散る明るい色の物質が写っており、手前にはディディモスも見える。
卵形をしたディモルフォスは大きな岩に覆われており、外観は探査機が近年訪れた他の小惑星「ベンヌ」や「リュウグウ」に似ている。科学者の間では、ディモルフォスは複数の岩が緩く結合した瓦礫(がれき)の寄せ集めではないかとの見方が出ている。
ミッションチームは今後、DARTの衝突でできたクレーターについてさらに知見を深めたい考え。クレーター内に粉々になったDARTの破片が見つかる可能性もある。