恐竜が哺乳類を捕食、希少な証拠を発見 化石の調査で
(CNN) 白亜紀に当たる1億2000年前に生息していた恐竜「ミクロラプトル」は、最後の餌としてネズミほどの大きさの哺乳類を捕食していた――。化石の調査に基づくそんな研究結果が発表された。
鋭い観察眼を持つ研究者が、ミクロラプトルの化石の胃の中に哺乳類の足が保存されているのを発見した。ミクロラプトルは体長1メートル未満の羽毛獣脚類。
カナダ・マギル大学レッドパス博物館のハンス・ラーソン教授(生物学)は「最初は信じられなかった。ミクロラプトルの骨格の中に、ネズミのような小型哺乳類の長さ1センチほどの足が完全に保存されていた」と振り返る。ラーソン氏は中国の博物館のコレクションを訪れた際、この化石に出会った。
研究結果は今月20日の古生物学専門誌に掲載された。最後の餌が保存されている恐竜の化石が見つかるのはわずか21例目。
哺乳類の餌が保存されている例となるとさらに珍しく、現時点では他に一つしか見つかっていない。
論文の共同執筆者を務めたラーソン氏は「胃の中に魚や鳥、トカゲが保存されているミクロラプトルの化石については既に知られている。今回の発見で小型哺乳類もミクロラプトルの餌に加わった。これらの恐竜がえり好みせず、日和見的に餌を食べていたことを示唆するものだ」と述べている。
このミクロラプトルの化石は2000年代の初め、中国北東部・遼寧省にある化石が豊富に含まれる地層で見つかった。腕の部分の翼と脚に羽毛が見られるのが特徴で、羽毛恐竜の化石で最も早い時期に発掘されたものの一つとなっている。