南極大陸、ロンドン並みの巨大氷山が分離
(CNN) 英南極調査所(BAS)によると、南極大陸のブラント棚氷から、英ロンドン市の面積に匹敵する約1550平方キロの巨大な氷山が22日に分離した。
ブラント棚氷には10年前から相当数の亀裂が見つかっているが、過去2年の間に2つの大きな亀裂ができた。ブラント棚氷にあるBASのハリー観測所は無事だったとしている。
今回の分離は予想された現象で、気候変動によるものではないと研究者は指摘する。
南極大陸は夏を迎え、海氷面積の記録的な減少が続いている。
米国立雪氷データセンターは1月に入り、「毎年この時期になると南極の海氷面積は大きく減少するが、今年は異常にペースが速い」と報告、「12月末の時点で南極の海氷面積は、45年間の衛星観測史上、最小だった」とした。
同センターによると、海氷の減少は平年を上回る暖かさが続いたことが一因で、ロス海上空の気温は11~12月にかけ、平年より2度高かった。強風も海氷の減少に拍車をかけた。
最新データでも海氷が復活する様子は見られず、夏の終わりには2年連続で記録を更新する可能性がある。
南極の海氷面積は過去20年の間に観測史上最高から最低へと大きく揺れ動いている。気候変動の影響が大きいとされる北極と違って、南極の海氷面積は変動が大きい。
1978年までさかのぼる衛星データによると、南極の海氷面積は2014~15年まで記録的な水準で増えていた。その後16年になって突然急減し、以降、平均を下回る状況が続いている。