南極「終末の氷河」、棚氷の下部に予想外の形状発見 早い融解ペース
調査の結果、南極は後退してはいるものの、棚氷の平らな部分の下では予想よりも融解ペースが遅いことが判明。融解ペースは年平均2~5.4メートルと、従来のモデルの予想よりも少なかった。
しかし、水面下の氷河の地形は予想よりもはるかに複雑で、階段状の段々構造や裂け目が至る所にあり、大きな亀裂が棚氷を貫いていた。
こうした部分では融解速度が特に早いことが判明。暖かく塩分濃度の高い水が亀裂や裂け目を通じて入り込み、亀裂や裂け目を広げ、氷河の不安定さを助長していた。
様々な機器が搭載された「アイスフィン」の先端部/Britney Schmidt/Justin D. Lawrence/ITGC
「氷河は下からだけではなく、中からも融解している」(シュミット氏)
論文の著者らは、裂け目や段々構造の傾斜部の融解が「棚氷崩壊の主な引き金になる可能性がある」と指摘している。