国際宇宙ステーション、ロシア側の予備回路で冷却剤漏れ
(CNN) ロシア宇宙機関ロスコスモスは9日、国際宇宙ステーション(ISS)のロシア側にあるモジュール「ナウカ」で冷却剤漏れがあり、ラジエーター回路に影響が出ていることを明らかにした。
ナウカは2021年7月にISSにドッキングした。しかし米航空宇宙局(NASA)によると、冷却剤漏れが起きたのは、10年にスペースシャトルでISSに届けられた予備用のラジエーターだった。
ロスコスモスによると、ナウカの熱制御回路本体は正常に作動しており、同モジュールの居住区画は快適な状態にある。乗員やISSが危険にさらされる状況ではないとしている。
NASAは9日午後、ナウカの2基のラジエーターのうち1基からはがれ落ちる薄片を米東部時間の同日午後1時ごろに観測したと発表した。
NASAによると、地上からISSの乗員に連絡を取り、NASAの宇宙飛行士が窓から薄片の存在を確認した。その後、汚染が起きた場合に備え、米国側の窓のシャッターを閉めるよう乗員に指示したとしている。
ラジエーター本体は正常に機能しているとNASAは強調。ISSの乗員が危険にさらされているわけではなく、問題については地上で診断を続けると説明した。冷却剤漏れの原因は現時点で分かっていない。
ISSでは22年暮れにもロシアの宇宙船ソユーズで冷却剤漏れがあり、ロスコスモスは1年近くにわたり、ISSに乗員を輸送する業務を復活させようと努めている。ソユーズは同年9月、NASAの宇宙飛行士1人とロシア人宇宙飛行士2人をISSに運んでいた。