図書館の延滞本、100年以上を経て返却 米ミネソタ州
(CNN) 米ミネソタ州の図書館で1900年代に貸し出された本が100年以上を経て、利用者の子どもから同州セントポール公立図書館に返却された。図書館長が20日、CNNに明らかにした。
同図書館のXへの投稿によると、返却されたのは1902年版の「有名作曲家 第2巻(ネイサン・ハスケル・ドール著)」で、バッハ、モーツァルト、ベートーベン、ショパンなど、バロックからロマン派にかけての著名作曲家を紹介する内容。同州ヘネピン郡の利用者が、母親の所持品を整理していて発見したという。
この本は何度か貸し出された記録があり、19年の貸し出しを最後に返却されていなかったらしい。
著しい延滞はセントポールのメルビン・カーター市長の目にもとまった。市長は100年以上分の延滞料が発生する可能性があると冗談交じりに投稿。ただし同図書館も含めて国内の図書館は、2019年に延滞料の徴収をやめていると言い添えた。
100年前の延滞料は、返却が1日遅れるごとに1セントだった。つまり現在までの延滞料は約380ドルになる計算だという。
セントポール図書館によると、同書は1914年、図書館がまだ市内のホールにあった時代から所蔵していた。ところが15年に同ホールで火災が発生し、16万冊の蔵書が全て焼失した。
この時に貸し出されていたと思われる約3万4000冊は焼失を免れた。今回返却された本は、そのうちの1冊だったと思われる。
本は傷みやすい状態にあることから貸し出しは行わない方針。市の歴史の一端としてガラスケースに入れて展示する可能性もあるとしている。