「世界的大惨事」のリスク上昇、AI偽情報や異常気象に警鐘 世界経済フォーラム調査
「(今年は)それが大幅に増える恐れがある」「そうなれば選挙で選ばれた政府の正当性が疑問視され、翻って社会の両極化にも影響を与えかねない」とクリント氏はCNNに語っている。
短期的なリスクの2位は異常気象だった。これは気温が上昇し、洪水や山火事が相次ぐ中で、環境や気候変動に対する認識が高まっていることを物語る。昨年の世界平均気温は観測史上、最高を記録した。
サイバーセキュリティー不安は4位に入り、10年ぶりに短期的リスクの上位5位以内に浮上した。3位は社会の両極化、5位は国家間の武力衝突だった。
AIの台頭に伴い、サイバー攻撃は「より差し迫った」脅威になったとクリント氏は指摘する。AIを利用すれば、サイバー犯罪集団が不正なプログラムを簡単に作成できるようになり、「悪人に頭の良さは求められなくなる」。サイバー犯罪のチャンスは増大し、サイバー攻撃のペースは加速する見通しだ。一方で、AIは不正防止の助けにもなるとクリント氏は話す。
今後10年間のリスクでは、環境に関する懸念が3年連続で上位を独占した。異常気象、地球システムの危機的変化、生物多様性の損失と生態系の崩壊、天然資源の不足、虚偽情報が上位5位に入っている。