米政府効率化省による財務省データ閲覧、連邦判事が差し止め命令 「回復不能な損害の恐れ」
(CNN) 米連地裁は8日、起業家イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」が財務省の決済データを閲覧することで「回復不能な損害」が生じる恐れがあるとして、閲覧の一時差し止めを命じた。
決済システムでは米国民の税金還付や社会保障給付金、障害者給付金、連邦職員の給与などの支払い手続きが処理される。データの閲覧は従来、特定の政府職員だけが認められていた。DOGEがアクセス権を得たことに対し、ニューヨークなど19州の司法長官が差し止めを求める訴えを起こしていた。
地裁判事は、機微(センシティブ)情報や機密情報が流出したり、システムがハッキングされる危険性が高まったりする恐れがあるとして、先月20日以降にシステムからダウンロードされた情報を破棄するよう命じた。
差し止め命令についての審理は14日に予定されている。
ホワイトハウスのフィールズ報道官は、この命令を「司法の越権」と非難した。
政府機関の規模を縮小するトランプ政権の計画に対しては、司法からの差し止め命令が相次いでいる。
これまでに国際開発局(USAID)の解体に向けた動きや、連邦政府職員の早期退職プログラム、連邦政府支出の一斉凍結などが差し止めの対象になった。