米NASAが「火星人」募集、その条件は シミュレーション空間で1年間生活
選考には最大で1年1カ月かかる見通しで、最終選考に残った候補者は医学、心理、精神テストを受けて、心理的にも体力的にも長期間の孤立ミッションに耐えられることを確認する。
食品アレルギーがあったり特定の医薬品を服用していたりする場合は選考対象から外れることがある。給与については選考の過程で告げられる。
昨年6月25日に始まったCHAPEAミッションの第1陣は7月6日に終了する。第1陣の目的は、火星生活で予想される課題に対応しながら限られた空間で暮らすクルーの健康状態や実績を観察・評価することにある。
現在参加しているのは研究科学者のケリー・ヘストン、構造エンジニアのロス・ブロックウェル、救急医のネイサン・ジョーンズ、微生物学者のアンカ・セラリウの4氏。
4人はこれまでに、屋内自家栽培システムを使って育てたグリーンレタスやパプリカ、トマトなどの作物を収穫したほか、火星の地表へ散策に出かけることを想定した広さ約111平方メートルの空間の中で「火星ウォーク」を何度も体験。生物学や物理学の実験や研究も続けている。
CHAPEAで得た教訓は、火星に送り込むクルーの健康を保ち、地球から遠く離れた火星での生活を支える物資やサポートの把握に役立てる。
ジョンソン宇宙センターの広報は「2番目のミッションも最初のミッションと同様に、参加者間の追加的データの収集を目標とする」と話している。