古代の巨大なカワイルカ、化石を発見 南米ペルーのアマゾン地域
研究チームが新種に付けた名称は「ペバニスタ・ヤクルナ」。「ペバニスタ」は化石が見つかったペルーのペバス層、「ヤクルナ」は先住民言語ケチュア語の民間伝承に伝わる神話的な水上民族を指す。
ロサンゼルス自然史博物館で海洋哺乳類担当のキュレーターを務める研究者はメールで「めざましい発見だと思う。南アフリカにはハクジラ類の全く別のグループに属するカワイルカが1種いることを踏まえると、特筆すべき発見だ」と指摘した。
現代の淡水イルカは、太く短い口先を持つ海洋イルカに比べて吻(ふん)が長いことで知られる。南アジアにはガンジスカワイルカ属のカワイルカ、アマゾン川にアマゾンカワイルカ属のカワイルカが生息していて、この2属には複数の種や亜種が含まれる。
中国の揚子江に住むカワイルカ(ヨウスコウカワイルカ)が第3の属だが、国際自然保護連合(IUCN)によると、ここ40年間に野生環境での目撃例はなく、絶滅した可能性がある。現生のカワイルカはいずれも絶滅の「危機」あるいは「深刻な危機」にあるという。