タイタニック沈没の悲報伝えた112年前の新聞、民家の衣装ダンスで発見 英国
「昨日はこの街の歴史の中で最も恐ろしい1日だった。だが全てのサスペンスは終わった。救助された人の一覧がオフィス前に張り出された。絶望の中で希望を持ち続けようとしてきた母や妻は、必死になって名前をたどり、最も恐れていたことが現実になったと知った」
「一部の人たちにとっては、当然ながら、リストの中に素晴らしいニュースがあった。だが悲しみに暮れる友人や知人を前に、その喜びを押しとどめた」
新聞の1面には安否の知らせを待つ2人の女性の様子が掲載されていた/Hansons
新聞の中には見開きで乗船者の写真を掲載した特集ページもあった。
競売業者のハンソンズ・オークショニアーズによると、この新聞はスタフォードシャー州リッチフィールドにある物件を整理した際に見つかった。高齢の顧客の祖母が、1911年に行われた国王ジョージ5世の戴冠(たいかん)式やタイタニック沈没など、大ニュースの新聞を保管していたという。
この新聞は今週、34ポンド(約6500円)で落札された。同社は「社会史の貴重な一端」と形容し、「大勢の遺族や友人、悲嘆に暮れる母親、父親、妻たちのことを思い起こさせる」と言い添えた。