火星の試料持ち帰る歴史的ミッション、「2028年前後」の達成目指す 中国

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無人火星探査機を載せ海南島の発射場から打ち上げられる「長征5号」=2020年/Carlos Garcia Rawlins/Reuters

無人火星探査機を載せ海南島の発射場から打ち上げられる「長征5号」=2020年/Carlos Garcia Rawlins/Reuters

香港(CNN) 中国は火星の試料を地球へ持ち帰る歴史的なミッションを早ければ2028年にも打ち上げる可能性がある。ミッションに携わる幹部が明らかにした。中国が掲げる「天問3号」ミッションは、「28年前後に」2度の打ち上げを行い、火星の試料を地球へ持ち帰ることを目指すとしている。

これまで当局が表明していたミッションの時期はここ数年で変動していた。22年には打ち上げの目標を28年に設定したが、今年に入りこれを30年に先送りすると発表。今回はこれを再度前倒しした形だ。

中国は6月、無人月探査機「嫦娥(じょうが)6号」を月に送り込み、世界で初めて月の裏側から試料を持ち帰ることに成功していた。

米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)では、火星の試料回収は依然として検討段階にある。予算の問題やミッションの複雑さ、リスクについての懸念が理由だ。

「天問1号」のミッションで撮影された火星表面の高解像度の写真=2021年/CNSA/AP
「天問1号」のミッションで撮影された火星表面の高解像度の写真=2021年/CNSA/AP

火星から試料を持ち帰る最初の国になれば、中国の野心的な宇宙プログラムにとって著しい快挙となる。習近平(シーチンピン)国家主席は宇宙開発の分野で中国を大国にすることを「永遠の夢」と位置づける。

「天問3号」ミッションの主な優先事項は、火星で生命の痕跡を探索することにある。この他、地表での試料採取及び探査機の離陸と上昇、火星軌道上の宇宙船同士のランデブーについての技術的な躍進も目指すとしている。中国国営メディアが前出の幹部の言葉を引用して報じた。

同幹部はまた、ミッション周辺での国際協力に関与する意向も表明。具体的には他国のペイロード(搭載物)の運搬やデータ共有、将来の火星調査の計画などに言及したという。

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